約 220,421 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1104.html
「さ~て、今週のねここの飼い方は~?~なの」 「何時流に乗っかったボケしてるのよ……」 「てへへ。一回やってみたかっただけなの♪」 「……まぁ、いいけどね。 それで今回ですが、コミックマーケット72で頒布される 『武装神姫ねここの飼い方02』の新着情報をお届けしたいと思います」 「ドンドンぱふぱふー、なの~♪」 「さて今回収録されているのは、『そのなな』、と『そのきゅう~そのじゅうよん』までになっています。そのはちがないのは前回のクライマックスに持ってきたため、ということに」 「劇場版は~?」 「うん、最初はそっちも入るはずだったのだけれど、ある事情で思ったよりページが増えてしまったので今回はカットすることにしたの。それはまた次回ね」 「えー、ねここそっちも楽しみにしてたのにー! ひどいよぅ、みさにゃぁん……」 「あはは、ごめんね。でもその代わり、前回の数倍の加筆修正をしているからそれで満足してほしいかな。エルゴトーナメント戦なんか7割は新作なんだよ。」 「あー、そうなのっ。エストちゃんとも戦ったしぃ、それにぃココちゃんもぉ~」 「それ以上はネタバレになるから言っちゃダメ」 「えー、ねここ言っちゃいたいのー! 「しょうがないわねぇ・・・じゃあ少しだけよ」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ さてさて、一回戦のお相手はどんな娘なのかな、と。 「フフフ……それは、私です!」 「にゃ?」 明朗快活な声が、反対側のコンソールから届けられてくる。 ねここと2人、そちらに目を向ければ、操作ボードの上に腕を組み、カッコつけているのか、 斜め45度の角度でこちらを見つめている神姫が1人。 頭部の特徴ある飾りからストラーフ型らしいその神姫は、足首まである豪奢な、黒衣のビロートのマントを身に纏い、 またその瞳は前髪に隠れていて、口元だけがニヤリと不敵な笑みを浮かべている。 しかも何故か彼女にはスポットライトが煌々と当たっていて、バックの赤に黒がよく映えるわね……って、えぇ? 「うぉっ、まぶしっ!?」 「何時の時代のネタをやっている、この馬鹿弟子がぁ!」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……えー、たったこれだけなの……?」 「全部やっちゃ宣伝の意味がないでしょ。我慢するの」 「うぅ……はぁい、なの」 「いい子ね、後で杏仁豆腐作ってあげるから。それと今回、なんとあのGの人にゲスト原稿を頂きました!」 「おおー。すっごいのー♪」 「今まで謎にされていた、ねここと店長さんたちの裏の顔との出会い、その秘密が今大公開されるのです」 「面倒だからかかなかっただけとも言うの」 「う、言いにくいことをハッキリと言うわね……とにかくっ、結構な長編なのでご期待ください」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「はいはい。お客さん、今日はもう閉店なんですが…急ぎですか?」 「店長さん、雪乃ちゃんが!」 シャッターを上げたそこには見知った顔。ウチの常連さんである風見美砂ちゃんその人が その表情を曇らせて立っていた。肩の定位置にはねここちゃん。 そしてその手には……夕方店を後にしたゆきのんが眠っていた。 一目で解るくらい損傷している。 そして、その傷には見覚えがあった。 「辻斬り神姫……」 低く呟く。 「雪乃ちゃんの帰りが遅いから心配になって探したら……近くの公園で倒れてて」 「店長さん、お願いなの! 雪乃ちゃんを助けて欲しいの!」 「ああ、言われるまでもねぇ。任せろ!」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「あぅあぅ、ゆきにゃんが、どうなっちゃうのっ!?」 「それは本編をお楽しみ、ですよ」 「うぅ、商売上手なのぉ……」 「それでは、『武装神姫ねここの飼い方02』を、ご期待くださいっ」 「尚、現在『虎の穴』にて委託販売中となっています。 虎の穴通販ページ 「地方の方でも通販で確実に購入できますよっ」
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2240.html
アルトアイネス奮闘姫 第一話「いりーがる?」 すでに人工知能が開発されて久しいが、軍事への利用を可能なAIは大国同士が核拡散失敗の反省を受けて非常に厳しく制限していた。しかし、優れた自己判断能力が規定外の使い方をされることは半ば予想され、実際に行われてた。 そんな中で民生品のAIを持つ日本の玩具、自立制御の高性能なAIを備えつつ、機能の拡張が容易な武装神姫はその一つに数えられていた。 武装神姫、それはわずか一五センチのMMSという技術を使用した女性型自律型ロボットである。本来玩具として発展したものであり、玩具の例にもれず、用途から外れた使い方は固く禁じられている。 もちろん、神姫のAIはそうした用途に使われないようになっているが、改造されればそうとは言えない。また型の古いモデルにはセキュリティの甘さゆえに違法改造がなされやすい。 改造された神姫は表向き、神姫同士の戦いにしか使用されてはいなかった。 「お兄ちゃん、どうしてそんな旧式のを買ってきたの!」 机の上で小人が怒鳴る。いや小人よりは妖精と言ったほうがいいだろう。 妖精の大きさは手のひらサイズ、淡い紫の髪に赤い瞳というのは一見、妖艶な組み合わせだが、髪は二つ小さなお下げに分けて、いくぶん子供っぽい髪型だった。顔つきもぷっくりとしたほっぺがなおさら幼さを引き立てている。着ている服は薄手の生地のハイネックに短いスカート、見る人が見れば、鑑賞ドール用の薄手の生地だとわかる。 彼女はMMS神姫、戦乙女型アルトアイネス、名前はメロン。名前の由来は、起動したときにそこにメロンがあったから、というあまりにも安直な由来である。 そのメロンに怒鳴られた相手、メロンの持ち主――オーナーであり、神姫はこの夏に始めたばかりの新人オーナー、勝見だった。 「旧式っていうけど、安かったんだからいいだろう」 「私に安い武装を使えって言うこと?」 理不尽な理由だが、睨み付ける視線には殺気がある。 勝見がなぜそんなアルトアイネスを選んだのかというと、アルトアイネスは最新鋭機だったからだ。武装神姫は新鋭機といえど、性能が極端に高いわけではない。神姫はレギュレーションにより、新旧の武装でも極端な性能差はありない。しかし、最近傾向や戦闘データがフィードバックされており、全体のバランスが高く、結果的に強力な武装神姫となるのだ。 しかし、そうであっても、経験の差はいかんともしがたい。武装神姫は今日昨日始まったホビーではない、古参ともなれば四年以上戦闘経験を持ち、その実力は高い。 そのための対策は大きく二つある。一つは神姫の実戦経験やトレーニングで能力を上げること、もう一つは有利な武装を揃えることだ。金銭的な余裕の少ない勝見は武装をそろえるのを半ばあきらめていたが、たまたま寄ったリサイクルショップで格安の武装を手に入れた。 それがこのメロンの不機嫌の元となっているのだ。 「しかも、このタイプって白いのじゃないの? 黒いのってどういうこと?」 「いや古いってのは知ってるけど。なんで黒いかはわからない、でもお前に似合うかなぁって思ってさ」 不満げな顔がわずかに赤くなる。 「似合うって……そんなのは次の次よ」 と言いつつ、勝見と視線を合わせていられない。メロンは照れ隠しが下手だった。 彼が手に入れたのは発売当初、黎明期の神姫の一人、天使型アーンヴァルの初期型、しかもリペインバージョンだった。本来であればプレミアがついてしかるべき製品なのだが、新古品として放出された上に店主が価値をよく知らずに売り、かつ勝見がよく知らなかった。ちなみに売り飛ばせば新品の神姫二体分くらいにはなる。 「それに安く、これだけの装備が手に入ったんだし、いいだろう?」 「確かにそーだけど」」 不満げな表情をしながらも、メロンの視線の先には黒く巨大なレザーライフルや黒いアーマーやウイングなどの武装をしっかりと捉えている。そのせいで口元が緩み、結構面白い表情になっている、しかし、メロン本人は気がつかない。 アーンヴァルはいまだに高い人気を誇る。特に初期型のアーンヴァルの装備はダウンチューンが行われたほど高性能なものがあり、公式大会ではハンデをつけられ、野良試合ではいまだに一級品の装備だった。 武装には問題がない。問題なのは別のほうだった。 「これでセット完了っと」 クレイドルで横になっているのは黒いアーンヴァル。長い金髪に黒い肢体、赤い塗装がアクセントが黒を一層引き立てる。本来の天使型という白いやさしいイメージとは真逆の印象を与える黒い天使。 「相談もなく新しい子を買うなんて、あたしを何だと思ってるのよ!」 そう、問題とは新しい神姫を迎える、そのことにメロンが怒っているのだ。いわゆる嫉妬である。 神姫というのはおもちゃであり、一人のオーナーが複数の神姫を所持することは珍しくはないが、神姫にとってオーナーは一人だ。 神姫心のわからないオーナーは複数の神姫を所持することはいろんな意味で危険だった。 その禁忌を犯そうというのか勝見よ、となるのかというとその心配はない、と勝見は思っていたのだ。今はカンカンに怒っていても。 「おお動いた」 セットアップを完了すると、アーンヴァルは目を開いた。 「この子、あたしと同じで目が赤いんだ」 なんだかんだ言いつつ、メロンは起動したてのアーンヴァルにくっついている。 アーンヴァルはぎこちない動作で立ち上がると勝見の方を見た。 「はじめまして、貴方がオーナーの真田勝見ですね」 姿こそ普通のアーンヴァルとは違っていたが、声はバトルで聞きれたアーンヴァルのものだ。 神姫の声はコアによって決まるので、ある程度は似てしまう。しかし、神姫はおのおのにその個性を持つのでオーナーは平気で聞き分けられる。勝見だって、一〇人くらいのアルトアイネスと混じってもメロンを見分ける自信はあった。 「よろしく、ほらメロンも」 「よ、よろしく」 さっきまでの勢いはどこに行ったのか、メロンはしどろもどろに言う。 「早速ですが、私の名前を決めてください」 「そだな、よし、メロン名前を決めてくれ」 「え……えええ!」 とにかく驚いた表情、でもその中に嫌そうな感情は含まれていなかった。 「姉になるんだから、それくらいはまかせる」 「あたしが姉……お姉さん」 頬がこれでもかというほど、ゆるむ。すぐにその場で腕を組んみあぐらをかいて考えるポーズ。勝見からは思いっきりショーツが見えてるが、指摘するとうるさいので黙っておく。 「……スイカ」 「よし、スイカな。、君の名前はスイカだ」 「って、いいの!?」 「わかりました、私の名前はスイカですね」 言い出したメロンが困惑するのを尻目に、メロンとスイカ、こうして新しい姉妹が生まれたのであった。 「そう、それでいい!」 腰に手を当てたメロンが言う。 メロンの目の前には着たばかりの洋服、Tシャツ(ケモティック社製)をひっぱってるスイカがいる。 起動したての神姫のほとんどのメモリは真っ白だ。基礎的な人格や常識は備えているものの、記憶の点では幼児よりも少ない。ところが、スイカの様子はいささか違っていた。 「これは一体何か?」 「なにって、洋服よ。それも知らないの?」 「わからない」 メロンは小さくため息をつく。スイカにはなぜか常識さえ十分に持っていなかった。 確かに起動したてだし、型の古い初期型だ。それでも神姫にはあらかじめ常識はあり、洋服を着るぐらいは普通にこなせるはずだ。 「これは動きを阻害する」 「しないって……あーもう、そんなふうに脱いだら服が破けるって!」 あわてて抑えるメロン、スイカは素直に従った。 「もう、そんなんじゃ私にも勝てないよ」 「勝つ? 戦う相手は敵。タイプアルトアイネスは敵なのか?」 真顔で言うスイカにメロンはがっくり肩を落とす。 「敵じゃないよ」 そうして、まじめな顔をしてスイカの肩に手を置いた。 「あたしは味方、絶対にね」 「うまくいってるか?」 そう言いながらドアを開けたのは勝見だった。 「あ、お兄ちゃん、ノックぐらしてよ」 「いや、ここ俺の部屋だし」 そういいながら、勝見は頭をかく。スイカが聞きてから、メロンの話し方は少し変わったように思えた。 「聞いてちょうだい、やっぱりスイカは常識がぜんぜんだよ」 そんなことを勝見が考えてるなど露にも思わず、メロンは続ける。 「常識なんてプログラムされてるはずだし、それに」 「ワルキューレタイプアルトアイネス、私に問題があるのか?」 「だから、そういう呼び方はやめなって言ってるでしょう!」 変わったのは別にいい意味だけではない。もともと高い声が、スイカが来てから頻度も加えて一層拍車が掛かっている。 「スイカ、オーナーとして命令だ、ワルキューレタイプアルトアイネスって呼び方はやめなさい」 「オーナーの命令を確認」 しばらく沈黙が流れた。天使型は優等生タイプと言われまじめな言動が多いが、いささかロボットじみている。 「なあメロン、生馬に聞いてみようと思う」 先に口を開いたのは勝見だった。メロンもなんといっていいかわからないような様子で同意する。 「うん、そだね」 「よう」 「いらっしゃい、まってたわ」 玄関で出迎えたのは熱海生馬。勝見の同級生であり、勝見に武装神姫を教えた人であり、メロンを薦めた張本人であったりする。容姿としての素質はいいほうだが、趣味に没頭するあまりオシャレっけはあまりない、いわゆるオタク女なので自分のことを気にかけていなかった。 生馬の肩に乗った天使型アーンヴァルのルーシェがメロンに手を振る。こちらは白のワンピースに黒いアクセントを加えた手作りの服を着ていた。派手さはないが、おとなしげなアーンヴァルの印象をうまく引き立てている。生馬に服のセンスがないわけではないのだ。 早速部屋へ案内される。メロンを起動させて以来、何度か訪れているので特に感慨はないものの、勝見は来るたびに感心はする。 その部屋は神姫一色に染まり、神姫サイズの家や洋服などが部屋の一角を専有している。 エプロンと耐熱手袋をつけたルーシェがお茶を部屋の中央のちゃぶ台に出すと、勝見はスイカを買った経緯とメロンの話を聞いた。 「話はわかったわ」 相槌をうちながら聞き終えた生馬は、整理された机の上のPCとクレイドルをつないだ。 「ちょっとクレイドルに乗ってね」 そういうとスイカをクレイドルにセットする。と言っても座らせるだけだ。 PCでデータを読み取り、MMSサポートセンサーに問い合わせる。すぐに応答があり、検査結果が表示される。 「……あれ?」 検査結果を見て、生馬は首をかしげた。 検査のデータは、スイカを初期型の白子、ノーマルバージョンと示していた。 「この子って中古なの?」 「いや新品だったぞ、なあ?」 「うん、新品だったよ」 勝見はメロンと顔を見合わせる。封を開けたとき、確かに未開封だった。 「じゃあ、何でリペイントされてるのよ?」 スクロールして他の結果も見る。すると検査結果には何箇所か不明の文字が浮かんでいる。 「もしかしてこれって……違法改造?」 一応櫛くらいは通してあるらしい短い髪が傾く。 「ごめんなさい、これ以上はわからない。神姫センターに行ったほうがいいわ」 そういって、ルーシェの淹れてくれたお茶に口をつける。 「違法改造といえば、この話は知ってる?」 生馬はスイカをちゃぶ台に返す。スイカにメロンが近寄った。 「三年前になるけど、大量のイリーガルが回収された事件があったのよ」 「話ぐらいは知ってるけどな」 勝見は言った。横目でルーシェを見ると小さく頷いている。たぶん、ルーシェもかかわったのだろう。 「そのときにほとんどのイリーガルは回収されたんだけど、アリスって天使型だけが相当数、逃げ延びたって話なのよ。そのときの生き残りかも……でもアリスは白いアーンヴァルだし」 生馬は倒したアリスを思い出した。彼女は見た目こそルーシェと同じ格好をしていたが、目つきも言葉遣いもまるで違った。愛らしさというものがまるでなく、ただ戦うことを生きがいにする人形。 スイカもアーンヴァルにしては変わっているが、しかし、アリスのような悪意は感じられない。 「……とにかく用意をして行きましょう」 「わかった、スイカ……って、いない!?」 「どこに行く?」 「いいからついて来て!」 隙を見て部屋を抜け出した二人は、生馬の家の台所に逃げ込んだ。ここには隠れる場所が多い。 「スイカはわからないの? 下手に連れてかれたらたぶんリセットされる、いや、悪いと廃棄されちゃうよ!!」 当時の事件を直接は知らないメロンは、神姫センターがどういった対処を行ったかを詳しくは知らない。しかし、どうされようと、スイカがいなくなっていまうだろうという予想はできた。 「とりにかく、お兄ちゃんと生馬さんを説得するまで隠れてて」 「それは命令か?」 メロンは小さく首を振る。 「ううん、お願いよ」 メロンはスイカの表情を見る。いつもどおりの無表情。そんなスイカだったが、メロンはやさしくいった。 「大丈夫お兄ちゃんたちは必ず説得する、私はお姉ちゃんなんだから」 言うが早いか、メロンは駆け出した。 「……わかった、隠れている」 そのとき初めてスイカに浮んだ表情をメロンは見逃してしまった。 探すと、すぐにメロンの方は見つかった。というよりもメロンのほうから出てきた。 「メロンちゃん、どこ行ってた? あのイリーガルはどこ?」 「お兄ちゃん、生馬さん、スイカをどうする気?」 「どうって……」 「私はお姉ちゃんだから、スイカを守る」 スイカを妹として、姉になるメロン、買った時に勝見はそのシナリオを考えていた。しかし実際にメロンがそれをはっきりというと勝見の心は暖かくなる感じがした。 しかし、今は余韻に浸っている時間はない。 「ちょっと待て、スイカ。それは勘違いだ」 「そう、従来型のイリーガルならセンターに問い合わせた段階でわかるわ」 そう続けたのは生馬だった。 「イリー……スイカがどう違うのか、実は私にもよくわからないの」 困惑した表情の生馬だったが、まだメロンの視線は貫くほどきつい。 生馬はメロンに説明する。今のところわかるのはスイカが何らかのエラーを抱えているということ、そのエラーの正体さえわかれば、スイカが今のような性格なのかがわかる、ということをメロンに伝えた。 「それが人為的なものである可能性は高いけど、どれくらい深刻なものなのかは私にもわからないのよ」 人為的な神姫の改変、それは一般的にイリーガルと呼ばれている。 イリーガルは公平なバトロンを阻害し、対戦相手の神姫への危険も大きい。 しかし、神姫への改造は当初から行われている。当初は髪型や目の色、体系など見た目だけだったが、それがコアの改変まで行われるのにそう長い時間はかからなかった。 イリーガルと一般改造の間はあいまいになりつつあり、改めで明確な基準が定められた。それに基づけば、過度な改造が行われているスイカも問題はないはずだった。 「お兄ちゃん約束して、スイカは私達のところから連れて行かないって」 「当たり前じゃないか」 「約束して」 「約束する」 納得したメロンはスイカを呼び、一緒に神姫センターへ向かった。 神姫センターで検査の結果は真っ黒だった。
https://w.atwiki.jp/nekokonomasuta/pages/23.html
武装神姫 MMS,Type ANGEL ARNVAL Mass-production model 『量産型アーンヴァル』 「我々は、大儀のために戦うのです」 【基本能力】 量産型アーンヴァルは集団戦闘の専門家である。 そのため戦闘基本値に以下の修正を得る。 【射撃基本値】(+2) 【格闘基本値】(+2) 【回避基本値】(+3) 【特殊】《フォーメーション効果》を受けた場合【効果】(+1) 【技能】 量産型アーンヴァルはキャラクター製作時に、以下のリストから技能を2つ習得できる。 また経験を積んでキャラクターレベルが上昇した場合、3で割り切れるレベル(3,6,9,12……)に到達する度、新しい特殊技能をひとつ、修得できる。 量産型アーンヴァル 技能リスト 《追加HP》 《一斉発射》 《ウェポン習熟》 《緊急回避》 《逃走》 《シールドブロック》 《追加SP》 《反射神経》 《連携攻撃》 《タフネス》 《突撃》 《不死身》 《SP回復》 《狙撃》 《複数目標攻撃》 《一斉掃射》 ○量産型アーンヴァル(ソルジャー) 【基本性能】 【射撃修正】(±0) 【センサー性能】(+0) 【速度】(6) 【格闘修正】(±0) 【装甲値】 ( 5 ) 【旋回】(3) 【回避修正】(±0) 【HP】 ( 24 ) 【パワー】 ( 5 ) 【シールド】 ( 2 ) 【格闘武器】 名称 /威力/格闘補正/使用回数 格闘 / 5 / ±0 / ∞ ライトセイバー / 8 / +1 / ∞ 【射撃武器】 名称 /威力/~5/~10/~15/~20/使用回数/間接/連射 アルヴォLP4ハンドガン / 7 /+3/ - / - / - / 8M / ×/ × アルヴォ PDW9 / 9 /±0/ -2/ - / - / 9M / ×/ ○ ○量産型アーンヴァル(ガード) 【基本性能】 【射撃修正】(±0) 【センサー性能】(±0) 【速度】(4:VTOL) 【格闘修正】(±0) 【装甲値】 ( 8 ) 【旋回】(3) 【回避修正】(-6) 【HP】 ( 24) 【パワー】 ( 6 ) 【シールド】 ( 2 ) 【格闘武器】 名称 /威力/格闘補正/使用回数 格闘 / 6 / ±0 / ∞ ライトセイバー / 8 / +1 / ∞ 【射撃武器】 名称 /威力/~5/~10/~15/~20/使用回数/間接/連射 アルヴォLP4ハンドガン / 7 /+3/ - / - / - / 8M / ×/ × アルヴォ PDW9 / 9 /±0/ -2/ - / - / 9M / ×/ ○ 【カスタムデータ】 ○アーンヴァル・ソルジャー 【部位】 /【CP】/ 【名称】 /【効果】 頭部 / (0)/ ヘッドセンサー・アネーロβ /《センサー+1》 胸部 / (1)/ buAM_FL010アーマー /《HP+2》 《装甲+1》 《シールド(2)》 脚部 / (1)/ AT2レッグパーツ /《HP+2》 《装甲+1》 背部U / (1)/ リアウイングAAU3 /《速度+1》 計 /( 3 ) ○アーンヴァル・ガード 【部位】 /【CP】/ 【名称】 /【効果】 頭部 / (0)/ ヘッドセンサー・アネーロβ /《センサー+1》 胸部 / (2)/ buAM_FL011フルアーマー /《HP+2》 《装甲+3》 《回避-4》 《シールド(2)》 脚部 / (2)/ ホバリングギアAT4 /《HP+2》 《装甲+2》 《回避-2》 《速度-1》 《VTOL》 背部U / (0)/ / 計 /( 4 ) (*1)以上の装備はアーンヴァルが装着しても【CP-1】のボーナスが適用される。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2123.html
ウサギのナミダ ACT 1-10 □ 今の状況に置いて、俺に打つべき手はなかった。 噂の否定と拡大阻止などは、一介の大学生には手に余る代物だ。 何かヒントになることはないかと、一度ネットの掲示板なども覗いてみたが、すぐにやめた。 ゲーセンの連中よりも面白半分な書き込みが大半を占めていて、当事者の俺はとても読む気にはならなかった。 もし俺がネット上で否定的な発言をしても、すぐにログは流れてしまうだろうし、「本人降臨」とか言われて、火に油を注いで面白がらせるだけだろう。 ネットだけではなく、ペーパーメディアの情報も入れるのをやめた。 隔週刊誌の「バトルロンド・ダイジェスト」は毎号楽しみに購読していたが、それすらも手に取るのをやめた。 その雑誌には、様々な武装神姫達が誌面を彩っているが、そんな神姫達が妬ましく思えてしまう。 その近くには、例のゴシップ誌が置いてある。 バトロンダイジェストに掲載されている、きらめくばかりの神姫達と、俺達をどん底の状況にたたき落とした雑誌に掲載されているティア。 お前達の現実はこれだ、と、コンビニの雑誌棚にさえ責められているような気がする。 俺はおとなしく大学に通い、上の空で講義を聴き、家に帰っては課題を適当にこなし、時々ティアの様子を見る、という生活を淡々と続けた。 ティアはひどいスランプに陥っていた。 原因は明らかだったが、俺はあえて何も言わないことにしていた。 と言うよりも、かけてやる言葉の持ち合わせがなかったのだ。 いつ復帰できるかわからない、復帰の可能性すら絶たれている今、ティアに訓練をさせる理由がない。 虎実との約束は確かにあるが、それだっていつのことか決まっているわけではないのだ。 だから、ティアには好きにさせていた。 ティアは訓練をやめようとはしなかった。まるで何かに憑かれたように。 課題の消化は遅々として進まなかったが、それでも叱ったりすることはなかった。 俺のモチベーションの方が、もう折れそうだった。 そんな風に過ごしていた木曜日、携帯電話が鳴った。 海藤からだった。 「ネットで、君たちの状況を知ったよ。きっと落ち込んでいると思って」 古い友人はそうのたまった。 ああそうさ、海藤、君の言うとおりになったよ。 俺達はただいま絶賛嘲られ中の身の上さ。 「それで、きっと、ネットもチェックしてないだろうと思ってさ……。 君たちの身の上の問題とは別件で、相談したいことがあるんだ」 なんだそれは? 海藤はよくわからない、もって回った言い方をしている。 俺は意味を尋ねたが、 「ああ、映像を見てもらった方が早いから……土曜日、うちに来ないか? 気分転換も兼ねて、さ。ティアを連れてきてもいいし」 と言った。 そんな気になる言い方をされては、行かざるを得ないではないか。 どちらにせよ、ゲームセンターに行くことも出来ないし、週末はまったく予定が空いている。 土曜日に訪問する約束をして、電話を切った。 ■ マスターが海藤さんと約束している土曜日は、瞬く間にやってきた。 「一緒に行くか?」 判断をわたしに委ねてくれたマスターに、しかしわたしは、断った。 「あの……やっぱり、練習します……」 「そうか……」 その一言だけで、マスターは出かけてしまった。 最近、マスターはわたしに命令することをしない。叱ることも、もちろん笑うこともしない。 もう、何もかもを諦めてしまったかのように、わたしには感じられた。 スランプから未だに脱出できないわたしが原因であることは間違いない。 だからつらかった。 もう、わたしに愛想を尽かしているだろうマスターと一緒にいるのがつらかった。 そして、あろうことか、わたしはマスターに嘘をついた。 一人家に残ったのは、練習の為じゃなくて。 確認したいことがあったから。 電源をつけっぱなしの、マスターのデスクトップPC。 神姫のわたしには大きすぎる、そのキーボードとマウスに歩み寄った。 □ 前回、海藤の家に来たのは、ティアのボディを交換してもらうためだった。 あれからすでに四ヶ月ほども経っている。 その間、俺は夢中でティアと向き合っていたのだ。 急に、左の胸ポケットのあたりが軽く感じられた。 いつもそこにあった、いつもちょっと不安そうな表情は、今日はない。 久しぶりの道を一人歩く。 手にしたドーナッツの箱はお約束だ。 「よく来たね。さあ、入って入って」 旧友はいつものように俺を迎え入れてくれた。 変わらない態度が、今の俺の心に染みた。 「……その手、どうしたんだい?」 俺の右手にはまだ包帯が巻かれている。 まあ、普通気になるよな。 俺は曖昧に笑っていった。 「ああ……ちょっとドジってさ。階段で転んだ」 「ふぅん?」 海藤はそれだけ言って、深く追求しなかった。 「いらっしゃいませ」 鈴の鳴るような声で、海藤の肩から挨拶してきたのはアクア。 彼女も変わらない。 だけど、彼女は不意に気遣わしげな表情になり、 「あの……ティアは?」 俺に尋ねてくる。 二人は変わらない。 この四ヶ月の間に、俺の方にいろいろありすぎたのだ。 「ティアは……一人で自主練」 自分の言葉に、急に寂しくなる。 やっぱり、無理にでも連れてくればよかった。 アクアは少し眉根を寄せて、気遣わしげに俺を見つめている。 俺は安心させるように笑おうとしたが、うまくいかなかった。 海藤は何も言わなかった。 海藤の家の広いリビング。 壁を水槽に占領された反対側の壁に、大型の薄型テレビがかかっている。 海藤はリモコンを手に取り、電源を入れ、目的の映像ファイルを指定した。 「早速だけど、これを見て」 俺達がソファに腰を落ち着けるのももどかしく、海藤は映像をスタートさせた。 何気ない行動であるが、普段の海藤からすると、そうとうせっかちだ。 コーヒーを淹れないどころか、ドーナッツの箱を開こうともしないなんて。 それよりも、今は映像だ。 そんなに急いで見せたい映像とは何なのだろうか。 大型のディスプレイに映像が映し出された。 深い、青。 果てしない蒼穹。 細く、白い雲がたなびいている。 突如、高速で現れた二つの影が、その糸のような雲を切り裂き、翔けていく。 アーンヴァル。 白と黒、二機の武装神姫が、自らもジェット雲を細く引きながら、舞っていた。 ■ わたしは、マスター愛用のキーボードとマウスを操作しながら、ネットを徘徊した。 本来、神姫がPCを操作するには、身体を載せてアクセスするアクセスポッドを使用する。 クレイドルには、アクセスポッドの機能が付加されているものもあるけれど、わたしのクレイドルはごく普通の、最小限の機能しか付いていない。 仕方がないので、こうして巨大な入力デバイスと格闘しているわけなのだ。 なぜネットを調べようと思い至ったのかと言えば、わたしが、いまわたしとマスターを取り巻く状況を何も知らないからだった。 マスターは何も言ってくれない。 だけど、マスターがつらい顔を見せたり、怪我をしたりするのは、外で何かが起こっているに違いない。 ……きっと、わたしの過去のことで。 それを知って、わたしに何が出来るわけではないけれど。 それでもわたしは知りたかった。知らなければならなかった。 懸命にキーボードと格闘し、ようやく武装神姫の話題が豊富な大型掲示板にたどりつく。 武装神姫だけでも、数多くの話題をあつかっているみたいだ。 スレッドと呼ばれる個々の話題の掲示板が、その名称だけでディスプレイの画面が埋め尽くされていた。 わたしはちょっと途方に暮れた。 この無数とも思われる掲示板の中から、自分の知りたい話題のものを探せるだろうか。 だけど、わたしの心配は杞憂だった。 そのスレッドは、リストの一番初めの方にあったのだ。 『袋とじ風俗神姫のスレ 137ページ目』 ……明らかに、あの雑誌の、わたしの写真のことを指しているタイトルだ。 胸が苦しくなる。不安になる。 ここにはきっと、わたしたちのことを知らない人達が、あの記事をどう思っているか、が書きつづられているはずだ。 わたしは意を決し、マウスカーソルをずるずるとスレッドタイトルに移動すると、マウスをクリックした。 □ ステージは超高高度の空中。 繰り広げられているのは超音速のドッグファイトだ。 二機のアーンヴァルは、いずれもカスタマイズされている。 黒の方はトランシェ2のリペイントバージョンがベース。 近・中距離戦を得意とするトランシェ2を基本装備としながらも、デフォルト装備とは異なるロングレーザーライフルも装備し、いかにもアーンヴァルらしいカスタム。 一方、白い方は、こちらもトランシェ2ベースに見えるが、様々なパーツを使用したカスタム機のようだ。ノーマルのアーンヴァルとは異なる、長い銀髪が印象的。 錫杖のような武器を持つきりで、装備は相手に比べて軽量に見える。 この白いアーンヴァルはどこかで見覚えがあった。 「セカンドリーグ全国大会、東東京地区の決勝戦だ」 海藤の言葉に、俺は思わず喉を鳴らした。 参加する神姫の多い東京は常に激戦だ。 東東京地区は、都心から東よりの都内を中心としたエリアで、決勝大会は秋葉原で行われる。 武装神姫のメッカ・秋葉原からの代表ということで、東東京代表は常に優勝候補と目される。 そういえば……俺がどうしようもなくなっていた、先週の日曜日、その秋葉原の決勝大会が行われていたはずだ。 この映像は、その決勝戦、東東京代表が決まる試合なのか。 どうりで、どちらのアーンヴァルも、戦い慣れているはずだ。 動きに迷いがない。 超高高度の空中戦、と言えば聞こえはいいが、戦いにくいフィールドでもある。 障害物はせいぜい雲くらいで、お互い丸見えの状態だ。 また、高度が高い故に、空中機動の装備へのダメージは即致命傷となる。 飛べなくなったら、そのまま落下して負け、というわけだ。 ティアの主戦場、廃墟ステージなら、飛べなくなっても地上戦に持ち込む手もある。 だが、超高高度空中戦では、それはできない。 しかも、そこをフィールドとする神姫の性質からいって、超高速のドッグファイトになるのは間違いない。 そんな状況で、手練手管を駆使し、勝利を目指すというのだ。 画面で舞う二機のアーンヴァルの動きは、無駄なものがそぎ落とされ、シンプルで精緻な機動になっている。 しかし、二機の間には、様々な戦術戦略が火花を散らしているようだ。 まさに激戦区の決勝戦にふさわしい。 だが、勝負はそれほど長く続かなかった。 白のアーンヴァルの方が一枚上手のようだ。 黒のアーンヴァルの方が手数が多いが、白の一発の精密射撃が黒の翼を捕らえた。 急速に移動力を失った黒天使に勝ち目はない。 白天使は的確なショットを決め、黒天使の飛行能力を奪い、勝利した。 ウィンメッセージが画面を埋める。 そして、大写しになる白いアーンヴァル。 カスタムなのか、可愛いというより美しいという形容が似合いそうな、神々しさすら感じる顔立ち。 不意に浮かんできた言葉と、その神姫の通り名が一致した。 俺はその武装神姫を知っていた。思い出した。 「クイーン……アーンヴァル・クイーンの雪華か……!」 海藤は無言で頷いた。 ■ 黒い言葉がディスプレイの画面を埋めていた。 恨み、憎しみ、悲しみ、怒り、それのどれでもなく、ただ「悪意ある」としか形容のしようがない、言葉の羅列。 もう、わたしの名前は知られていた。 マスターからもらった名前が、黒い悪意で汚されているように見えた。 『今週号の袋とじも、ティアちゃんエロス』 『今週のティアは神。エロ神』 『ていうか、ティアは漏れの性奴隷』 『漏れの神姫もティアみたいに性奴隷調教したい』 『ティアに白濁液かけたい』 『自慰用コネクタでマスターにレイプされる画像希望』 改めて思い知る。 わたしは、男の人に奉仕する事ばかりを望まれている神姫なのだと。 胸の奥が痛む。 昔は感じたことのない痛み。 お店にいる頃は、男の人に奉仕することしか知らなかった。 だから、自分が汚れた神姫だと言われても、そうなのだとしか思わなかった。 わたしは、マスターの下で少しだけ変わってしまった。 思い上がっていた。 自分が人並みの、武装神姫だなんて、そうなれるなんて。 あるはずがない。 この痛みは、わたしの思い上がった自信過剰の証だ。 わたしはさらに読み進めていく。 例の雑誌は週刊で、今週号にも、わたしの浅ましい姿が掲載されたらしい。 死ぬほど恥ずかしい。 嫌がりながらも、悦楽に屈し、あられもない痴態をさらした自分の姿。 それを不特定多数の人達が見ているのだと思うと、頭の回路が焼き切れそうな思いだ。 わたしはさらに掲示板の表示をスクロールしていった。 そして……愕然とする。 □ 『クイーン』の二つ名で呼ばれる神姫は有名だ。 彗星のように現れた期待の新人、というふれこみで、半年ほど前から雑誌に載っている。 俺が購読している「バトルロンド・ダイジェスト」で密着取材を行っており、バトルの細かい内容まで毎号掲載されている。 その凛とした佇まい、ストイックな性格、そして特徴的な装備と、圧倒的な実力から、誰からともなく『アーンヴァル・クイーン』と呼ばれるようになった。 その神姫の名前は雪華という。 今シーズン、雪華はセカンドリーグの全国大会にエントリーすると公言した。 正直、密着ドキュメントは雑誌の企画だと思っていた読者も多い。 だから、強いといくら書かれていても、あまり信じられてはいなかった。 だが、バトロンダイジェストに掲載された、公式戦での結果は、俺をも戦慄させるのに十分だった。 いまやクイーン・雪華は、全国大会チャンピオン候補の筆頭だ。 「無冠の女王」の名を廃するべく、真の女王への階段をかけ上がっている、というわけだ。 「……それで、クイーンの決勝戦に何があったって言うんだ?」 俺は海藤に向かって首を傾げる。 海藤はテレビの方を指さした。 「まあ見ていてごらんよ。問題はこの後さ」 釈然としない気持ちで、俺はテレビに向き直る。 ちょうど、クイーンとそのマスターに勝利者インタビューが行われるところだった。 『優勝、おめでとうございます!』 インタビュアーの月並みな祝福に、笑顔で応えるマスターと、あまり笑みを浮かべずに『まだ通過点です』とストイックに応える神姫。 いくつかの質問がかわされた後、インタビュアーはこう言った。 『全国大会本戦まで、あと一ヶ月半あります。その間、どのようなトレーニングをされますか?』 また当たり障りなく答えるだろう、と思っていた。 人の良さそうなマスターは言った。 『そうですね……各地のホビーショップやゲームセンターに出向いて、武者修行しようかと思っています。公式戦に出ていない神姫と戦ってみたいので』 『たとえば、T県の『ハイスピードバニー』ティア、K水族館所属の、イーアネイラのアクア……』 「な……!?」 マスターの言葉を引き継いだ雪華の言葉に、俺は思わず腰を浮かせた。 『S県の『不倒要塞』ゼラーナ、『木の葉落とし』の楓(かえで)。 東京T市の『風の守護者』シリウスに、放浪の神姫『エトランゼ』のミスティ……他にも戦ってみたい神姫はいます』 『なるほど、首都圏各地で、チャンピオンの戦いが見られるかも知れませんね!』 インタビューが終わっても、俺は腰を降ろすことが出来なかった。 背を伸ばして立ち上がり、海藤を見る。 「見せたいと言ったのはこれか、海藤……」 海藤は頷いた。 「やはり知らなかったみたいだね。それで……どう思う?」 「どう思うも何も……」 一介のバトルロンドプレイヤーにすぎない俺達を、東東京チャンピオンが直々に指名? 映像を見せられても、にわかには信じがたい。 しかも理由がわからない。 公式戦に出ていない神姫とはいえ、公式戦上位の神姫達に実力で勝っているとは思えない。 チャンピオンは何が目的だ? 「まったく信憑性がないというか……意味がわからない」 「……やっぱり、君にも心当たりはないか……」 「海藤もないのか? いまバトルロンドやってないアクアも呼ばれていたのに」 「まったくないよ。もしかしたら、昔のころの噂を聞きつけたのかも知れないけど、それだったら、そのころの二つ名を呼ばれると思うし」 確かに、雪華はご丁寧に、神姫の二つ名も一緒に言っていた。 しかも、アクアには「K水族館所属」と言っていたから、現在のアクアと手合わせしたい、ということなのかも知れない。 「だけどなぁ……」 俺はソファにどっかりと座り直した。 「俺達はいま、ゲーセンにも出入り禁止の身だ。それに……チャンピオンが今の状況を知っても戦いたいとは思わないだろうな……」 海藤もため息をついて言った。 「僕は、たとえ対戦を挑まれても、断るつもりだよ。もう、長らくバトルロンドはやっていないし、もうやる気もないしね……」 お茶を淹れよう、と言って、海藤は立ち上がった。 俺は考える。 東東京代表にして、優勝候補最有力の神姫とバトル出来る、というのはとても魅力的に思う。 だが、今の映像をみただけでも、勝負になりそうにないことはわかる。 クイーンの戦闘力は圧倒的だ。あらゆる局面において、実力を発揮できる。 ティアのように、都市のステージだけでしか戦えない神姫とは違うのだ。 そもそも、今俺達が置かれている状況からして、対戦などかなうまい。 クイーンはそのことを知らないのだろう。 ……そこで俺はふと疑問に思うことがあった。 海藤がコーヒーを持って戻ってきた。 俺は、ドーナッツの箱を開けながら、その疑問を海藤にぶつけてみる。 「なあ、海藤」 「なんだい?」 「なんで海藤は……バトルロンドをやめたんだ?」 コーヒーを配る海藤の手が、一瞬止まった。 ■ 「なんで……どうして!?」 思わず声に出た。 見上げた視線の先、ディスプレイに表示された掲示板の書き込み。 そこに書かれていたのは…… 『使用済みの「中古」神姫のオーナーになるなんてマジあり得ない』 『遠慮なく神姫にぶっかけられるからじゃね?』 『いやいや自慰コネクタで直結中出しだろ』 『ティアのオーナーはHENTAI』 『ティアと毎晩エロエロできるマスターうらやましい』 『マスターは神姫陵辱犯でタイーホ』 ……マスターのこと何にも知らない人達が。 勝手にマスターのことをけなして、嘲笑ってる。 やめて。 やめてやめて。 マスターは何も悪くない。 わたしは、マスターに嫌なことなんて何もされてない。 あんなにまっすぐ、わたしを見てくれる人、他に知らない。 わたしに、武装神姫としての喜び、ランドスピナーで走ることの自由さ、世界の色、そして風の心地よさを教えてくれた。 マスターはいつだって、正しくて、まっすぐなのに。 後ろめたいことなんて、何もしてないのに。 なぜ、傷つけるの。 どうして言葉で貶めるの。 胸が、さっきとは比べものにならないほど、痛くなる。 まるで心を鷲掴みにされて、握りつぶされるかのよう。 いままで、さんざん痛い思いをしてきたけれど。 どんな痛みより辛くて。 こんな痛みには耐えられない。 涙が止まらなかった。 わたしが責められるのはいい。汚いって言われるのは仕方がない。ほんとうのことだから。 だけど、マスターが責められるのは違う。間違ってる。 みんな、間違ったことを口にして、平気で盛り上がってる。 悔しい。 わたしは、こんなに間違っていることに、反論の一つもできない。 無力すぎて。 泣いてしまう。 涙腺が壊れてしまったかのように、雫は次から次へと溢れてきて、わたしの顎から玉となって落ちてはじけた。 そして、わたしは泣きながら、考える。 マスターを、こんな目に遭わせているのは、だれ? あんなにまっすぐな人をねじ曲げている、憎い相手はだれ? そして。 思い至る。 わたしだ。 まるで、泥に汚れた手で、白いハンカチを掴んでしまったように。 マスターを汚しているのは、このわたしだ。 マスターを敬愛していた。尊敬していた。 マスターと共にいるのが嬉しかった。認められることが喜びだった。 そのすべてが、マスターを汚し、貶めていた。 そして神姫を取り巻くすべてを、マスターの敵にした……。 ああ、だから。 最近のマスターは、あんな冷たい目でわたしを見るんだ。 だから、何も言わず、すべてを諦めてしまっているんだ。 そして。 痛みに耐えられなくなって。 わたしの心はつぶれてしまった。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/32.html
(あぁ…今月の出費が(涙) ご両親様勝手に預金使いこんでごめんなさいっ) そう贖罪する目の前には大量の武装神姫のパーツ、本格的な訓練用端末やら、ねここ用の洋服、壁には大穴…… ねここの飼い方、そのいち 「みさにゃんみさにゃんドコいくの~?」 「ん、きっとねここが喜ぶ場所よ」 道を歩きながら会話をしてく私とねここ。 会話してるねここは私の頭の上、ポニーテールの結び目にまたがって、まるでたれ猫のように乗っていて。 前から見ると顔と腕だけ見えなくて、まるで鏡餅みたい。 ねここを買ってきて数日後、その日は休日だったので私はねここを連れてねここを買った場所、センターへと出向いていた。 ねここを買った時に標準セットも付属はしていたのだけれど、それだけじゃなくねここの好きなものを選ばせてあげようと思ったのだ。 武装神姫たちには個々人の好みもあるそうなので、ねここがどんなのを選ぶのか非常に楽しみだったりする。 「さ、着いたわよ」 「うにゃ♪」 自動ドアをくぐって店内へと入っていく。そこは休日という事もあって前着たときよりもさらに人が多いみたい。 これだけ多くの人がいるとこは初めてのねここは少し緊張してるようで、頭の上からごく僅かにふるふると震えが伝わってくる気がして。 「別に怖がらなくても平気だからね、私が一緒にいるから、ね?」 そう言いながら顎のあたりをくしくししてあげると 「うん~☆」 と安心して元気を取り戻したような声になってくれる。 「さてさて、まずは何処から回りましょうかね~、ねここ行きたい場所ある?」 「う~ん……全部っ☆」 聞くだけ野暮だったかな。とりあえず適当に見て歩こうと歩き出した私の前に、1つのスクリーンが目に付いた。 それは私がねここを買うきっかけになったあのスクリーンだった。 今も試合らしき映像が流れている。 映し出されている神姫は、えぇとあれは天使型というやつかな。 でも各部に付けてるパーツが黒いし、足もブースターではなくて黒いブーツみたいなのになっているから改造してあるみたい。 それは物凄いスピードで華麗に飛翔していて、見るものを引き付けるような… ねここも目を輝かせてその光景に魅入ってるようだ。 それから直ぐに接敵したようで、相手の武装神姫もカメラに映し出される、けど 「あっちキモいのです…なんか怖いよぉ」 「そ…そうね」 翼に目玉みたいなのが沢山付いてて、うん、あれはちょっと私もダメ。 そこから私もねここも一心不乱に魅入っていた。ねここは、 「あー、ダメなの! 逃げてー! 負けないでー!」 白い方を気に入ったらしく必死で応援してるのだけど、頭の上でバタバタ暴れるとちょっと痛いし落ちたら怖いんですけどぉ(汗 「キァーーーーーーーーーーーーーー」 と相手の方がみてるこっちまで頭が痛くなるような金切り声を上げ、白い神姫の方は湖へと落下していく。 「だめだめぇ!頑張ってなのー!いーやーぁー!!!」 あぅぅ、ねここさんお願いだから頭を全力で叩かないでとっても痛いです…… と、湖から飛び出してくる物体、そこから先は鮮やかでした。 華麗な逆転劇をみたねここは余程感動したのか、何時までも飽きることなく歓声を送っていました。 「ねーねー、ねここもあんな風に空飛んでみた~い!」 「え?」 スクリーンから少し離れた休憩ブースで飲み物を飲んでいたら、頭の上のねここがそう言い出して。 「さっきの人みたいに、ねここもぴゅーん!って飛びたいの、空を自由に飛んでみたいの~♪」 ネコ型なのに空をって……ドラ○もん? まぁ、いいかな。それだけ言ってる事だし折角なので買ってあげないと。 ついでに他のも買っておいて色々試させてみようかな。 と、ダメ親モードに突入して他にも一揃え買い与えてみたのでした。 そして、その夜 「ねーねー、これでどうー?」 「うーん。それだとなんか違わない? ほらこっちのほうが」 「えー、ねここそれキラーイ( △ )」 我が家の居間のテーブルの上には大量のパーツが置かれていて、私とねここは片っ端から着けたり外したりしてあーでもない こーでもないと2人だけの改造大会(?)を繰り広げているのでありました。 「うーん…あ、これならどうかな?」 それは今日見たアーンヴァル(基礎知識は何とか一通り覚えました)の飛行ユニットをモデルに、 さらに円柱型ブースターを翼下に取り付けて、更に翼そのものを水平に近い感じにして推力をTMAみたいに 全部後方に集中させて…うふふふ 「ほらほら、ミー○ィア♪」 「みさにゃんそれもう30年以上前のなの…」 むしろなんでねここが知っていますか……私の秘蔵のDVDコッソリみたのかしら。 「まぁまぁ、でもこれならすっごく早く飛べると思うよ。 でも念のためにマオチャオアーマー着けようね」 と手早く換装させてっと、ついでに両手にドリルなんかつけたら…あら結構いいかも。 「おお、なんか凄いかもしれないのだ、なんかぱわ~が出てきた気分なの♪ 両手のドリドリもごっつくて勇者ロボみたいでカッコいい~☆」 ごめん、ちょっと敵役っぽかったかもしれないです。 「じゃ、飛んでみるっ」 むん、と力を入れた表情になるねここ。 「とぁ―――――!!!」 その直後ブースターに火が入ったかと思うと、ズバァァーシュ!!! って音とドガァン!って変な音が。思わず一瞬目を閉じてしまって、 次に目を開けたらねここの姿は何処にも… と、ねここが飛ぼうとしていた方向の壁を見ると、そこにはぽっかりと大きな穴が出来ていて外の風景が丸見え…… 「ねここ―――!?」 私は慌てて靴も履かずにねここを探しに駆け出して、燃料切れ(どうやらリミッターかけないで全燃料を一瞬で吹かしちゃったみたい)で裏山に不時着して目を回しダウンしていたねここを発見回収して、うちに帰りついた頃にはもう朝になってしまっていたのでした…… それ以来我が家のルールに室内でのミーティ○ごっこ禁止の項目が出来たのでありました、おしまい。 「えー、またあれ乗りたいのー!ぶーぶー!」 「ダメ。ねここがまた行方不明になったら心配だから、ね?」 「うぅ、みさにゃんがそういうなら…はぁい」 (でもこっそり乗っちゃおうかな、にゅふふ) 封印解除の日まであと○日(くるのかっ 続く 上に戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/448.html
前幕。 どうか、もう哀しまないで下さいマスター・・・いえ。 それは無理な事であるとは私自身解っているつもりです。だから、今は、涙だけは。どうかお収め下さい。 この命・・・。 貴女が選んでくださった心の種。 いつしかそれが芽を生やし、私がどのような者であるかを自覚し、理性が理解を受け入れた時から・・・この日この刻が来る事は識っておりました。ただ、それが思ったよりも早かっただけ・・・どうか、お解りください。貴女と共に過ごした時。所の皆様と笑いあった日々。 それを私は忘れたくはないのです。 あら? まぁ、ダメですよ? 皆様まで泣いてしまっては。皆様は、これからも泣き虫なマスターを支えなくてはならないのですよ? ・・・・・・。 えぇ、そう。そうですね。私は幸せでした。きっと。 ここで過ごした僅か数年。決して長くは無い・・・それでもたくさんの想いの詰まった数年。この大切なメモリーを『想い出』と言うのであれば。それを抱いたまま私は旅立ちたいのです。 えっと・・・。 そう、ゼリスは。 ・・・ふぅ・・・、ふふふ。自分の名前を思い出すにも、少し時間がかかるようになってしまいましたね。 大切な物が消えていきます・・・それは霧のように。 このまま、全てを忘れていく事は耐え難い苦痛です。いつしか自分が何であったかさえも忘れてしまうでしょう。 そして・・・この暖かな日々があった事も。 皆様の名前。マスターの声。 忘れたくない『記憶』・・・この我侭、お許しくださいませ。 えっ? 『願い』ですか? マスター・・・ありがとうございます。 それでは・・・。 ・・・・・・。 まぁ、そんなに驚いた顔をしないでください。ずっと前から決めていました。 その為のメッセージも残しているんですよ? ・・・え? マスターのPCの中です。「ZF」というファイルがあるはずです。 あぁ、そういえば・・・って。もう・・・見えやすい所に置いてるんですから、少しは怪しんでください。 けど、そう。そんなマスターだからこそ。私を作ってくださったのですよね。 ? ふふっ・・・意味は、秘密です。 それではマスター、そして皆様。私はこれよりCSCを停止させ眠りにつきます。 ・・・たくさんの心を、ありがとうございました。 皆様と、これから生まれてくる全ての神姫達・・・そのマスターの頭上に光と幸福があらん事を。 ・・・どうか、お伝え下さい。 全ての妹、娘達に。 貴方達を愛しています、と。 そして・・・ 2035年12月24日クリスマス。 千葉峡国神姫研究所において、研究所所長の神姫でもある言語能力特化型神姫「クラリネット」のテスト機・・・コードCRZR-C003の全機能が停止された。 彼女の名を、ゼリスという。 彼女のみに搭載された最初期試作型CSCは記憶中枢とのリンクが不完全であり、可動寿命は僅かに約5年であったと伝わっている。寿命を迎える前に、『哀れに思った研究所の者たちが機能を停止させた』。そう、報道された。 クラリネットタイプの美貌と美声は有名であった為、しばらくは『聖夜に死を選ばされた悲哀のヒロイン』との如き扱いで彼女の名前はマスコミに取り上げられはした。 ・・・が、それもまた一瞬。時代は小さな名前を飲み込み、やがて忘却の彼方に押し流していった。 翌年。大プロジェクトである武装神姫シリーズがスタート。 「クラリネット」をはじめ、「ミネルバ」「エレティリス」などの旧来の神姫を核として設計された最新型シリーズ。 本来は一つの派でしかなかった『神姫バトル』を当初よりコンセプトに投入している彼女達は一躍神姫界を席捲し、急激な勢いでバトルは神姫界の主要を占める重要なジャンルとして成り立っていく。 表では毎日のように公式バトル結果がネット上に溢れ、新製品が売り出され。 そして同時に神姫関連の犯罪件数も増加。闇バトル、違法改造や盗難・・・裏もまた賑やかに。 目まぐるしく神姫の周囲は変遷していった。いつしか、神姫と武装神姫はイコールで結ばれるようになる。 風が嵐が如く吹く西暦2036年。 全てが忙しなく流れ往き、歴史の波濤が全てを覆い尽くす時代。 そんな中でも時として。 草色の風が舞い、緩やかな『想い』が彼女達の髪を梳き・・・流れる事があった。 上幕。 第一幕
https://w.atwiki.jp/nekokonomasuta/pages/4.html
武装神姫 MMS,Type ANGEL ARNVAL 『空は私のお友達ですっ!』 彼女は常に、天空を華麗に舞う 重き大地を離れ、1人自らを向かいいれる広大な大空へと それはまるで天使の煌めき 白き天使の加護が、貴方にも舞い降りる 『天使型MMS アーンヴァル』 アーンヴァルは第一弾として発売されたMMSだ 高い高速機動性能と本格的な空戦能力を持つ数少ない神姫であり、中~遠距離戦を重視しつつもバランスの取れた武装と相まって、後発の機体が次々と出現している現在に置いても一線級の戦闘能力を持つ。 火力と機動性が高い次元で融合した優秀な機体だが、その分割を食った形で本体の装甲が軽装でまとめられている。 【基本能力】 アーンヴァルは空中戦と射撃戦のプロフェッショナルである。 そのため戦闘基本値に以下の修正を得る。 【射撃基本値】(+3) 【格闘基本値】(+2) 【回避基本値】(+3) 【特殊】『飛行』時【回避】(+1) 《飛行特性》習得済 【技能】 アーンヴァルはキャラクター製作時に、以下のリストから技能を3つ習得できる。 また経験を積んでキャラクターレベルが上昇した場合、3で割り切れるレベル(3,6,9,12……)に到達する度、新しい特殊技能をひとつ、修得できる。 アーンヴァル 技能リスト 《追加HP》 《一斉発射》 《ウェポン習熟》 《緊急回避》 《逃走》 《シールドブロック》 《追加SP》 《反射神経》 《連携攻撃》 《タフネス》 《突撃》 《不死身》 《SP回復》 《狙撃》 《複数目標攻撃》 《一斉掃射》 《回避フォーメーション》 《高速移動フォーメーション》《速攻フォーメーション》 《集中砲火フォーメーション》 ○アーンヴァル(ノーマル) 【基本性能】 【射撃修正】(±0) 【センサー性能】(±2) 【速度】(7:VTOL/飛行) 【格闘修正】(-2) 【装甲値】 ( 4 ) 【旋回】(3) 【回避修正】(+2) 【HP】 ( 26 ) 【パワー】 ( 6 ) ○アーンヴァル(ブースター装備)(*1) 【基本性能】 【射撃修正】(±0) 【センサー性能】(±2) 【速度】(9:VTOL/飛行) 【格闘修正】(-2) 【装甲値】 ( 4 ) 【旋回】(2) 【回避修正】(+2) 【HP】 ( 26 ) 【パワー】 ( 7 ) 【格闘武器】 名称 /威力/格闘補正/使用回数 格闘 / 6 / ±0 / ∞ ライトセイバー / 8 / +1 / ∞ 【射撃武器】 名称 /威力/~5/~10/~15/~20/使用回数/間接/連射 アルヴォLP4ハンドガン / 7 /+3/ - / - / - / 8M / ×/ × アルヴォ PDW9 / 9 /±0/ -2/ - / - / 9M / ×/ ○ LC3レーザーライフル(速射) / 11/-13/ -7/-10 / - / 10 / ×/ ○ LC3レーザーライフル(一撃) / 13/-15/-13/-16 / -21/ 3 / ×/ × (*1)移動前後に廃棄可能。 【カスタムデータ】 【部位】 /【CP】/ 【名称】 /【効果】 頭部 / (0)/ ヘッドセンサー・アネーロ /《センサー性能+2》 胸部 / (0)/ buAM_FL012アーマー /《装甲+1》《セイバー専用ラック×2》 脚部 / (0)/ ランディングギアAT3 /《回避+2》 《格闘-2》 《歩行不能》 背部U / (4)/ リアウイングAAU7 /《HP+5》 《回避+1》 《速度+2》 《パワー+1》《飛行/VTOL》《追加ラック×4》 / (0)/ エクステンドブースター /《速度+2》 《旋回-1》 《VTOL/飛行時専用》 武装 / (1)/ LC3レーザーライフル 計 /( 5 )
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/30.html
『ねここの飼い方』 あらすじ 風見美砂はある日、ふらりと入ったセンターで武装神姫と出会う 帰りに彼女が手にしていたのは1つの箱…… それは偶然、それとも必然? 二人の物語が、今…始まる 著 ねここのマスター 近状・更新状況 1/23 書籍&イベント情報更新。 DLはじめました。 1/1 書籍&イベント情報更新。 あけましておめでとうございます。今年こそ頑張る! 『ねここの飼い方』あらすじ Web拍手 ねここシリーズ人物設定 なぜなに武装神姫 ねここの飼い方、時系列 メインストーリー≪ねここの飼い方≫ R-18有 ≪ねここの飼い方・劇場版≫ ≪ねここの飼い方・光と影≫ R-18有 ≪ねここの飼い方・その絆≫ ≪ネメシスの憂鬱≫ ≪ねここの飼い方・温泉でGO!≫ 外伝 書籍&イベント展開 *New* Web拍手 設置してみました。お気軽にどうぞ~ ねここシリーズ人物設定 なぜなに武装神姫 みさにゃんとねここが、毎回色々と解説してくミニコーナー ねここの飼い方、時系列 メインストーリー ≪ねここの飼い方≫ R-18有 ●以下長編(完結作品) ≪ねここの飼い方・劇場版≫ ≪ねここの飼い方・光と影≫ R-18有 ≪ねここの飼い方・その絆≫ ≪ネメシスの憂鬱≫ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅠ~ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅡ~ R-18 ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅢ~ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅣ~ R-18 ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅤ~ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅥ~ R-18 ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅦ~ R-18 ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅧ~ R-18 ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅨ~ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩ~ R-18 ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅠ~ R-18 ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅡ~ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅢ~ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅣ~ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅤ(改訂版)~ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅥ~ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅦ~ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅧ~ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅨ~ R-18 ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅩ~ ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅩⅠ~ R-18 ねここの飼い方 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅩⅡ~ R-18 *完結* ≪ねここの飼い方・温泉でGO!≫ ねここの飼い方・温泉でGO! そのいち Coming Soon…… 外伝 外伝、ホビーショップ・エルゴの悪夢 HOBBY LIFE,HOBBY SHOPとリンク 外伝、鈴乃の真実 岡島士郎と愉快な神姫達とリンク ねここの飼い方EX ねここの飼い方EX2 書籍&イベント展開 *New* 『コミックマーケット83』 *終了しました 沢山の方々にお越しいただき、ありがとうございました。 やる気いっぱいもらいました! (神姫が何処にも売ってないという悲鳴多数と共に・・・(涙) ● 新刊1 ● 『HOW TO KEEP A CATGIRL MECHANICS』 表紙フルカラー/44p・オフセット印刷 一般向(資料・解説本) 頒布価格700円 『ねここの飼い方』に登場した神姫達の武装解説本になっています。 詳細設定と、写真たっぷり!実際に作れるよ!の見本的な内容でお送りします。 *手持在庫完売・虎の穴の通販のみ。 ● 新刊2 ● 『神姫の日常』 表紙フルカラー/28p・オフセット印刷 成年向(漫画) 頒布価格/600円 此方はアニメ版の神姫達を描いた本になっています。 祝、アニメ化! 内容も面白いですよねっ。 各新刊は虎の穴にて委託中です。 当日会場に来られなかった方は、是非ご利用くださいませ。 通信販売ページ(虎の穴) ● 新刊3 ● 『ねここの飼い方総集編・ねここ編&ネメシス編』 パッケージ/カラーコピー・CD-R媒体 ねここ編:一般向(小説&漫画) ネメシス編:成年向 頒布価格1000円 ねここの飼い方をCDにまとめてみようと思っています。 ただし間に合うかは色々と微妙・・・・・・ ●追記● 『dlsite.com』にてダウンロード販売を開始しました。 宜しければご利用くださいませ。 dlsite頒布ページ・直リンク 新しい物語へ…… えむえむえす ~My marriage story~ ご感想、ご要望やリクエストなどは、こちらへ どうも、ichgucです。いずれコラボしませんか? -- ichguc (2009-05-10 10 42 51) >ichgucさんへ いずれ機会がありましたら、その時は宜しくお願いします。 -- ねここのマスター (2009-05-12 19 25 45) ネメシスちゃんが装着してはずれなくなったのって「赤ずきんちゃんご用心」じゃなくて「あなたも狼に変わりますか」のような気がする -- 名無しさん (2009-10-30 10 11 47) す、すいません素で間違えてました……すぐに修正しました(大汗 -- ねここのマスター (2009-10-30 13 23 23) トップページからのXVがない・・・?XVを読む人はXIVから「続き」か更新履歴からどうぞ -- 名無しさん (2009-11-05 14 32 56) ま、またしても申し訳ありません。ちゃんと追加しました(大汗 -- ねここのマスター (2009-11-05 17 37 19) アガサさんは昔ストラーフだった気がするのですがこれはいずれ語られるのでせうか。それとも、深入りしたら消されてしまうのでせうか -- 名無しさん (2009-12-20 00 51 52) >名無しさん いずれ語られる予定ですので気長にお待ちください~。・・・消されるのは、まぁ(遠い目 -- ねここのマスター (2010-01-01 09 24 44) えむ★えく・フルカラーDL版を是非とも購入したいのですが、他サイトや認証無し版を販売する予定はございますか? dlsiteのユーザー認証形式が使用できないPC環境でして……。 -- 名無しさん (2012-01-11 10 20 32) >名無しさん はい、実は最初にUPした後色々考え直しまして、現在認証無し版に切り替えられないか訪ねている最中です。OKが出ましたら、またお知らせしたいと思いますので、すみませんが少々お待ちください。 -- ねここのマスター (2012-01-11 12 21 02) 差し替え完了致しました。これで大丈夫だと思いますので是非DLをお願いします。 -- ねここのマスター (2012-01-11 17 55 23) 差し替え、ありがとうございました。 えろえろやーー!! -- 名無しさん (2012-01-11 20 19 59) ありがとうございます。喜んでいただけたようで何よりですw -- ねここのマスター (2012-01-12 02 20 06) 番外編でアムドライバーのライドボード扱って欲しい -- げしもちゃん (2012-04-28 18 53 01) 名前 コメント 今日 - 昨日 - 総合 -
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/411.html
登録日:2012/12/01 (土) 03 29 23 更新日:2022/03/22 Tue 10 27 17 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 ジルリバーズ 日笠陽子 武装神姫 武装神姫 BATTLE MASTERS Mk.2 ジルリバーズとは、武装神姫BATTLE MASTERS Mk2に登場する神姫である。 素体デザインは黒星紅白が、武装デザインは柳瀬敬之が担当。 CV 日笠陽子 正式名称「クルーザー型MMSジルリバーズ」 コンセプトは「武装神姫にバイカー魂を」。 クルーザーとはヨットやボートではなく、ハーレー等のアメリカンバイクの事。 バイクとライダーにこだわりを持つ二つのブランドの共同開発から誕生したバイク型神姫。 素体はライダースーツを着込んでおり、神姫の中では比較的露出は少ない。 ただしあくまで比較的。胸元が大胆に開いており、エロ……いやワイルドでかっこいいイメージに仕上がっている。 ジルリバーズのデザインを依頼された黒星紅白が持ち込んだ所、「可愛んじゃね?」等と評判がよかったようで一発でオーケーを貰ったとか。 黒星本人も気に入っているようで、「ペロペロしたい」と、とても紳士的なコメントを残した。自重しろ。 【バトルマスターズのジルリバーズ】 入手可能になるのはF2クリア後。オフィシャルショップに相方のエストリルと同時に入荷される。 隠しキャラやDLCを除けば、最後に入荷される神姫である。 ワイルドな外見の通り性格はキツめ。 過程や方法などどうでもよく、ルール内ならばどんな手を使おうと勝てばよかろうなのだというポリシーを持つ、ダークヒーローのような性格。 しかしこれはあくまで基本性格である。 作中、孫を亡くした老婆を気遣い、老後のパートナーをしている者もいる。 中にはマスター共々強い相手には全力で媚び、格下と判断した相手は全力でなじるとんでもないのもいるが。 ちなみにこのジルリバーズはやけにハイテンションで声が高い。最早ただの日笠。 彼女はシナリオ中でも「勝利こそ全て。勝者こそが一番偉い」というスタンスである。 敗北を重ねるマスターに「貴様はクズだ」と言い放つシーンもあるため、イラッとする人もちらほらいるとか。 しかしそんな彼女も、主人公や色々なマスターとの交流やアブソリュートからの敗北等により、敗者の気持ちを考え始める。その辺りはゲームにて。 彼女の「だいちゅきだー!」を聞くだけで、余裕で一ヶ月エアパスタ生活ができると言っても過言ではない。 ごめんやっぱ過言だった。 専用RAは「ヘリッシュクレイドル」。 通称轢き逃げアタック。 武装をバイクに変形させ、高速で突撃し、後輪を浮かせて前輪を中心に敵を潰すように回転した後に跳ね飛ばす。8HIT。 変形中は無敵、攻撃中はスーパーアーマーが付くため潰されにくい上に威力も高い。追尾性能も高く、多少距離が開いていても全ヒットするため非常に使いやすい。 多少武装のハンデがあっても、ぶっぱしているだけでゴリ押しで倒せたりする。 ただしギリギリまで引き付けてからジャンプされたりターンをされたりしたら当たらない。 近接攻撃から繋げると即座に発動して轢き潰す。 強化版は「ヘリッシュクレイドルEX」。 基本は変わらないが威力が上がっている。また、×で右旋回ができるようになった。 ヘリッシュクレイドルと同じ感覚で使えるが、EXRAの仕様上ライドMAXにならないと使えないため注意。 また、専用RAに必要な武装にボディパーツはないため、専用RAに囚われる事なく強力なパーツを付けられる。カラーリング的にアイネスのパーツが似合うかもしれない。 ただし胸が隠れるため注意。 【フィギュアとしてのジルリバーズ】 ない。 大切な事なのでもう一度言う。ない。 なぜかエストリル共々未だに発売されていない。というか発売予定すらないらしい。 嘘だと思うならAmazonで「ジルリバーズ」か「エストリル」と検索してみるといい。バトマスmk2しか出ないから。 バトマスで神姫を知り、黒星バイク姉妹に惚れたマスター達は枕を濡らしたとか。 事実かは不明だが、発売予定がなくなったのはバイクに変形する武装が壊れたから、という説がある。 イベントにてジルリバーズとエストリルが紹介された時にバイクに変形する武装も一緒に紹介された。 その武装バイクは大切な物で、何かあった場合発売延期もあり得るというかなりヤバい物だった。 恐らく何かあったから発売予定がなくなったのではないだろうか。 あくまで憶測なので信じるか信じないかは貴方次第。 というかそんな大事な物を裸で持ってくるなよ……。 ……と、バイク姉妹のマスターは絶望したが、「当月」の発売予定はないという意味らしい(pixiv大百科より)。 とりあえず希望は見えた。ただ発売日は未定。バイク姉妹の明日はどっちだ。 余談だが、4Gamerの動画で「じるりん」という名前がつけられた。 らぷちー等、スタッフは何かを狙っているのだろうか? 追記・修正はジルリバーズがだいちゅきな方にお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] コナミが神姫在庫一斉販売イベントを行った今、発売は絶望的なんだよな… -- 名無しさん (2014-04-06 09 52 02) 巷で話題のブキヤ神姫、売り上げによっちゃバイク型まで行くつもりらしい、まあソースがソースだから信憑性には欠けるが -- 名無しさん (2015-09-27 00 50 40) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2641.html
『元気でやっているか? 風邪とかは引いてないか?』 「大丈夫、父さん。心配しすぎだよ」 帰ってきた後、夕飯の作り途中、家に電話がかかってきた。 それは久しぶりに父さんからだった。 月に一回ぐらいにこうやってかかってくる。心配性な父さんだ。 『いーや、高校生でも、螢斗はまだまだ子どもなんだ。息子を心配するのは父親として当然だぞ』 「ちゃんと、やってるよ。……そうそう、ついこの間から、長倉家にさ、武装神姫が住むことになったのだけど。父さんは許してくれる?」 『ああ、あの動く可愛い人形か。同僚の娘さんも持っているらしいからな。……父さんは別にいいと思うぞ』 「そう、よかった」 この家の、本来の家主に反対されたらどうしようかと思っていた。まあ、反対したとしても、無理矢理押し切る気でもいたのだけど。 『ちなみに、どういう子なんだい? 猫型とか犬型とかかい?』 「……詳しいね、父さん。しかも基準がペット方向のだし」 『ち、違うぞ! ただ、ちょっと、そういう先入観があるだけで。……詳しいのも、お客さんを色々見ていると、神姫を連れている子や、いい大人が年甲斐もなく愛でているのを見られるだけだぞ。本当だぞ!……父さんは変な目で見ているわけではないぞ!』 欲求不満なのか、我が父親は。 言わなくてもいいことをペラペラと喋る。 「わかった、わかった。そう言う事にしとくよ」 『そう言う事とはなんだ、そう言う事とは。信じてないだろ、父さんを』 「信じまーす」 『うぅ、まったく……ブツブツ……』 父さんも元気そうにやっているみたいだ。いつも通りの父さんがいて、ホッとしている。少しイジりすぎたかもしれないけど。 「神姫は山猫型、アーティル型の子なんだ。名前はシオンってつけてる」 『ふーん、アーティルタイプは熱血で元気な子らしいじゃないか。名前はシオン……シオン。もしかして……シオンを漢字で書いたら、“詩”と“音”って書くんじゃないか?』 「……うん」 父さんは一呼吸置いてから、また電話口から声が聞こえた。 息を飲む音も一緒に。 『……すまんな、一人にさせてしまっていて』 「なんで謝ってるの? 家を空けてるのはいつものことじゃない……」 父さんが突然謝り出した理由はなんとなくわかっている。 だけど僕は、はぐらかした。 『だがな、実際螢斗は寂しいんだろ? お前の母親“詩乃”と、詩乃の母さん、祖母の“海音”義母さん。わざわざ、文字をとってくる必要がない。螢斗自身はわかっているだろ?』 「違うってそういうのじゃない。ただの偶然だよ、偶然」 『しかしだな……』 そうだよね。父さんはそう思うよね。でも、あれは本当に偶然だった。 名前を考えたら自然に頭の中に浮かんできた。漢字名は後で気付いた。 ただ、それだけのこと。 『お前は詩乃が亡くなった時も、義母さんが亡くなった時も、号泣だったじゃないか。詩乃が亡くなった時は、三日三晩、小さいお前が俺の胸で泣いてたし。義母さんが亡くなった時は葬式の翌日、久しぶりに帰ってきて、布団を干す時にさ、おまえの枕がすごい濡れていたのを覚えてるぞ』 「……家族が亡くなったら、誰だって泣くさ」 余計なことばかり覚えてるんだから、父さんは。 僕が以外に涙脆いなんて知っているくせに。涙は枯れないものだから、どんどん溢れてくるものだから。 『無理をすれば、父さんは家に帰れることだって……』 「――それはやめてよ。父さんは結構偉い立場なんだからさ。社会人として責任が色々あるでしょ。……それにさ、今は……」 「螢斗さーん!……鍋が、鍋が吹きこぼれそうです!!」 廊下の奥、キッチンの方からシオンの危機感迫る声が聞こえ始めた。 「ちょっと待ってて、父さん。……コンロのスイッチを止める方に捻るんだ!! 身体全体で掴め!!」 「と、とりゃー!……やった! 治まりましたよ、螢斗さん!」 ふぅ、これでよし。一安心だ。 「よくやった! そのままにしといて!…………もしもし、父さん?」 『大変そうだ……な。電話越しに聞こえたぞ』 「料理の最中だったから。シオンにまかせてたからね」 『ははは、武装神姫の、あの小さい身体に料理番は荷が重そうだな』 「でも、よくやってくれてるよ。……あのさ、こうやってシオンと暮らしてるとさ、少し父さんの気持ちがわかるんだ」 『うん?』 「父親の気分っていうのかな。シオンは普通の神姫と少し違うところがあってさ、そういうのがあってもさ、それが可愛いっていうか。手のかかる子ほど可愛いというかさ」 『でも、お前はあまり手がかからなかったな。詩乃が亡くなってからとか、義母さんが亡くなって、ますますな』 「……えっと、そうだった?」 そんな風に意識したことはなかったような。一人暮らしをするって決めた時はしっかりしようと思ったけどさ。 『そうだったんだよ。……親が亡くなるなんて、子どもは暗くなるのが普通なんだが、お前は、率先的に義母さんの手伝いしてたらしいじゃないか。父さんは知ってるんだぞ』 「う、」 『同僚のお子さんなんか、母親がいてもなにも手伝わない事が多いらしい。お前の話をすると、絶対俺の周りが羨ましがるんだぞ。一人で偉すぎるってな。その度に父さんは鼻が高くなってしまうぞ』 「そ、そう」 職場では僕の事が周りに筒抜けらしい。僕自身は当然の事だと思うのだけど。 『お前が持ち主だったら、神姫のシオンが幸せだな。お前はしっかりしている。どんな子でも導いていけるさ。子どもは手が掛かろうが、手が掛かなかろうが、いずれは成長していくもんだ。人間だろうが神姫だろうが、それは同じだ』 「あ、……そうか……そういことか」 この前の君島さんの話、成長という意味はこういう事を指しているのか。 シオンだけではない。僕も成長する必要があるということかもしれない。でも、なにを……? 『ん、今度はどうした?』 「いや、なんでもない。そろそろ切らないとな、なんて」 『おお、そういえばそうだな。いつまでも、電話を占領するのも悪いし』 「……ほどほどにね。あと、父さん……」 『なんだ』 「いつも、ありがとうね。僕を心配してくれて」 『ッ!…………あったりめーだ、バカタレー。我が息子よ、またなー。……ッグス……ウウ」 ……プツ、ツーツーツー。 僕は受話器を置いた。 父さん、最後泣いてたし。涙脆いのは父さんの遺伝だな、絶対。 「螢斗さん、どうかしましたか」 「……え、どうしてそんなこと聞くの?」 リビングに戻ってみると、シオンがなぜか僕に訪ねてきた。 いや、電話してただけなのだけど。 「顔が嬉しそうですよ。電話の相手と、よほど楽しいお話をしたんですか?」 「ああ、そういうこと……うん、そうだよ。シオンのことをね、少々」 「えぇ!? 私ってやっぱり変ですか? そうですよね。戦えない神姫なんて変ですよね。自分でもそう思います」 「なに、勝手に勘違いしてるの!? 違うって!」 シオンを宥めるのに時間を使っていたら、すっかり鍋は定温にまで下がっていた。 ―――― 休日の日、天気は快晴。 朝の10時いつものゲームセンター前。 「よーし、皆のもの、全員いるかねー?」 「全員って……君島さん、あなたがみんなと初対面ですよね? まず、自己紹介してくださいよ」 「これは失敬。長倉君のアルバイトの上司、君島 縁だ。それ以上でも、それ以下でもない」 「……螢斗さん。君島さんって変な人ですね」 最後のポツリと感想を言ったのはミスズだ。 今この場には、僕とシオン、淳平とミスズ、君島さんだ。 淳平は絶対朝起きられないと思ったので、僕が家に電話して淳平の母親に頼み、ブン殴ってもらって起こしてあげた。 今日は残念なことに霧静さんはいない。 霧静さんは家の用事で今日は出られないとのこと。アリエもまだ神姫ショップの店番で忙しいらしいし。 休日はよく人が来ると言っていた。どっちにしろ、あの店長さんを見たら客は逃げると思うんだけどな。 それと、君島さんの神姫のリンレイも見当たらない。だけど、気配はしないけど絶対身近にいる。忍者みたいに姿を消せるみたいだから、油断はできない。 「はい、はい、はーい! お姉さん、質問でーす!」 淳平が、学校に教育実習生として来た先生に、質問を投げかける生徒みたいな構図が連想されるテンションで手を挙げている。 「はい、そこのキミ!……えっと、名は?」 「伊野坂 淳平。螢斗の親友でっす。この子はアーンヴァル型のミスズっす」 「じゃあ、改めて。……はい! 伊野坂君、なんだね?」 「姉御って呼んでいいっすか? ついでに彼氏はいますか?」 「……マスタァ~」 ああ、ミスズが凍えるような目で淳平を見始めた。よくあることだ。だけど、今日は止められそうにもない。 「うむ、許す。……彼氏がいるかどうかは……キミのご想像にまかせるとしよう」 「うぉー、ミステリアスな雰囲気っすね、さすがは姉御! 痺れるっす!」 キミたち、ホントに初対面なの!? 「はー、綺麗なお人ですね……」 シオンが君島さんに見惚れている。それでいて驚きの口調も出す。 ――いや、騙されるんじゃない。 確かに今日の君島さんは、いつもの、バイトの時の姿と違く見える。 君島さんの服装は黒のジャケット、中にシャツ。細い足にはデニムパンツ、靴はヒールと大人だからこそできる服装。 僕よりも幾分も長身でスタイルも良い。顔にはブルーグレーのサングラスをしていて、バイト中いつもぞんざいに結っている長い髪はツヤがあるように、綺麗に腰元まで流している。 道の通りを歩く十人中十人が、男女関係なく、かなりの確率で振り返るであろう容姿を今この人は表わしているからだ。 今も道行く人が何人か振り返っているのがわかる。 だけど……だけどだ。 僕は知っている。 この人は荒唐無稽なことを平気でやってのける。バイト中でも、数々の暴挙を引き起こしているのに客からも反感を受けず、仕事もクビにもされない超人だ。 実際に謎だらけの人なのだけど……なぜか、僕にとって信頼できる人でもある。 ……不本意だけど。 「――拙者は主殿の神姫リンレイでござります。よろしくいたく候」 「あれ? いつからそこにいたんですか! さっきまでいなかった筈なのに……」 ミスズが口に手をやって驚愕している。 君島さんの肩からさっきまでいなかったリンレイがいつのまにかいたからだ。 本当、いなかった筈なのにどこから来てるのかな。 「すっげー! 忍者だ、忍者も出た。姉御もめっちゃ美人だし、なんでバイトの先輩で、こんな美人がいるって言ってくれなかったんだよ!? これから、螢斗のコンビニに毎日通う事にするぜ!」 「迷惑だよ……ハァ……」 ガクガクと僕の首を揺らす淳平。そして、来て早々疲れている僕。 なんでこの人といると、こんなに精神的にも疲れるんだろう。 ……いや、淳平と併せてるせいだ。絶対そうだ。 「えー、今日はお日柄もよく、シオン君の矯正バトル日和になったわけなのだが」 「そんなことより、いいから、授業とやらを始めましょうよ」 「ふぅ、まったく、ゆとりというものを知らんなキミは。昔は……」 「はいはい、もう入りましょう」 もう付き合ってられない。 シオンの為を思って呼んだのだけど、人選を間違えたのかな僕は。 「綺麗な方なのに、面白いお人ですね」 シオンは本気でそう思っているみたい。 面白いは褒め言葉なのか? いや、シオンにとっては悪口じゃないだろう。 純真すぎるのも問題だな。 「悲しいな、悲しいよ。……さて、リンレイ、伊野坂君とミスズ君も行くぞ」 「承知でござります」 「へへ、俺もお供しまっすー!」 「マスタァー!! あとで覚えていてください……ぐぎぎ……」 このメンバーで本当に大丈夫なのだろうか。 ―――― 「ふむふむ、ゲーセンの筐体はこうなっていて……ほう、このくらい迫力で……ステージもなかなかリアル……うーむ」 君島さんが感嘆の声を呟く。他の対戦者、神姫たちが実際にバトルしてる筐体の画面をゆっくりと眺めている。 「君島さん、そろそろ、シオンのバトル恐怖症を治す方法を教えてくださいよ」 「まあ、待て。……んーと…………」 筐体から離れ、君島さんはサングラスを外してポケットに差してから、周りを見渡している。 「主殿、あそこにでござります」 肩に乗っかっているリンレイがある一角を指差す。 なんだろうか? 僕はてっきり、君島さんとリンレイがバトルで直接教えてくれると思っていたのだけど。 「おっ…………そこのチンピラ! ちょっとこっちに来い!」 えっ! ちょっと、何やってるの? リンレイが指差す方向、壁を背にして立っていた、いかにもワルそうな男。 君島さんはその人を見つけるや否や、突然挑発し始めた。 「……あ~? おいおい、いきなりなんだ、ネーちゃん。オレのことをチンピラっつってさ、舐めてんのか、あぁん!!」 (こ、怖!) 君島さんと違う種類の、それでいて同じようなサングラスをかけている男性がこっちに向かって来た。 ジャラジャラと首にネックレスをいくつもかけていて、格好も着崩している風貌だ。 「キミみたいな、チンピラ風情がゲーセンにいると、ここの空気が汚れる。さっさと、出て行ってくれたまえ」 「ちょ、ちょっと。君島さん! いきなりどうしたんですか!?」 「そうっすよ、姉御。危ないっすよ」 「……君島さん、謝ったほうがいいです!」 僕もミスズも、さすがに淳平もたじろいでいる。 僕も怖いが、怖くて震えているシオンは胸ポケットに身体を潜らせる。 とにかく、君島さんを謝らせないと。周りの客も空気も凍りついているじゃないか。 「ひでぇな、ネーちゃん。俺も神姫バトルを楽しみたい一市民なんだぜ、そこは許せよ。お前もそう思うだろ、なぁ?」 チンピラさんが自分の神姫に話しかけた。 見ればその男性の肩、膝に手を置いていて行儀よく神姫が座っている。 左目の方に眼帯をしているのにその上からオーナーと同じようにサングラスを掛けている。 「…………」 なにも喋らない。 軍帽を被っていてその下から、アーティル型のボディよりも薄いピンク色の髪の毛が見える。 あれは……武装神姫、戦車型のムルメルティアだ。 それより、なんで、サングラスを掛けている率が多いんだ。流行っているのか? 「こちらはそんなものは知らん。さっさと消えてくれたまえ」 しかし、どうしたんだ、君島さんは。なにかこういう人に恨みでもあるのか。 普段よりも気性が荒すぎる。 「おーおー、怖え~。美人なネーちゃんなのにな、もったいない。……はぁーあ、ムカつくぜ」 「で、どうするのだ? 出ていくのか? 出ていかないのか?」 「いやだ、ね……どうしても出ていかせたいっつうなら、やっぱここはコレだろ?」 クイッと指を筐体に指す。神姫バトルでけりを付けるってことなのか。 「被害者な俺自身がふざけた気分になっちまうが、警察沙汰にする気もないんでな。ここは神姫バトルで手を打つってぇーのはどうだい?」 「ふむ。わかった、よかろう」 ふぅ、よかった。君島さんと忍者神姫のリンレイなら、神姫バトルで負けるイメージはないからな。 これで安心でき―― 「――ただし、やるのはこの子だ」 「えっ!…………うぇ!?」 君島さんに突然腕を引き寄せられた。 僕の目の前に厳つい男性のチンピラさんが。 「あ? このチビがか……てめーはやんねえのか?」 「あいにくと、私は武装神姫を持っていない」 「ええっ!! リンレイが――……ムググ……」 「リンレイがいるじゃないですか」と言おうとしたら、口を手で塞がれた。 淳平とミスズにも、何も言うなと目で黙らしている。 なんで、どうして? 目線を動かしても、君島さんの身辺どこにもさっきまでいたリンレイの姿が見当たらない。また姿を消しているのか。 (いいから、言うとおりに) 耳元、小声でそう言われた。 一体何を考えているんだこの人は。 「はぁ? てめーはなんでここにいるんだよ!?……はぁ、まあいい。そこのチビが代わりにやるってことだろ? 俺は別にいいぜ。そのチビの神姫が勝ったら俺は素直に出ていくさ。ただし、負けたら……」 首を掻っ切るジェスチャーをする向こうのチンピラさん。 え、本気で? 人間を神姫バトルで……。 「ふん、冗談だ……ただ、俺のダチが裏でやばい仕事してて、そこで急遽人手が必要なんだと。俺は面倒でやりたくないんだが……」 「それを手伝えっていうことですか」 「そうだ。そっちが負けたら、それが罰ゲームっつうことにしよう。俺は喧嘩売られた側だぜ? それくらいの権利はあんだろ。もしもだ、そういう仕事でとちったら社会的にな……わかんだろ?」 「……最悪陽の目をもう浴びれなくなるってこと……です……か?」 「賢いチビだ。まあ、そういうこったな」 そうだよね。 もちろん、僕たちが負けても君島さんが代わりにするんだよね。 そうなんだよね? 僕は君島さんを伺ってみる。 (キミがやるんだ) 目がそう語っている。 うっそ、なんで!? 「ちょっ、ちょっと、待っててください!! 君島さん、こっちに」 「……ふむ、よかろう」 今度は僕の方が君島さんを引っ張っていく。 ゲームセンターの隅の方、目のつかない方に連れていく。 「あのアマは、いつもあんな感じなのか?」 「さ、さぁー、姉御はさっき初めて会いましたのでよくは……あはは……早く戻ってこいよ~」 「なにかあれば、マスターは私が守ります。ヌヌヌ……」 その場にはイラついたチンピラさんと気まずそうな淳平、睨みつけるミスズが取り残されてしまった。 ごめん、すぐ戻るから。 前へ 次へ